産廃収集運搬業の許可を受けるには、次の要件を満たす必要があります。
1.指定講習会を受講済であること
次の方が、講習会を受講している必要があります。
【法人の場合】
代表者若しくは産業廃棄物の処理に関する業務を行う役員又は業を行おうとする区域に存する事業場の代表者
※ 原則、監査役を除く常勤の役員の方が受講する必要があります。
【個人の場合】
当該者又は業を行おうとする区域に存する事業場の代表者
※ 原則、個人事業主本人の受講が必要となります。
2.経理的基礎があること
産業廃棄物の収集又は運搬を的確に、かつ、継続して行うに足りる経理的基礎を有していることが必要となります。
経理的基礎があると認められるには、
・利益が計上できていること
・債務超過の状態でないこと
が必要であるとされています。
直前期の自己資本比率 | 直前3期の経常利益の平均値 | 直前期の経常利益 |
マイナス |
赤字 |
赤字 |
※ 上記全てに該当する場合は、申請しても不許可となります。
※ 自己資本比率=(純資産の部)÷(資産の部)×100%
3 事業計画があること
事業計画は、事業の重要かつ基本的事項に関する計画であり、この計画に従って事業が実施されることを前提としているため、その内容が適法であり、業務量に応じた施設や人員などの業務遂行体制を整えておくことが必要となり、具体的には、次のとおりとなります。
①排出事業者から廃棄物の運搬の委託を受けることが確実であり、当該事業所から発生した産業廃棄物の種類や性状を把握しておくこと。
②取り扱う産業廃棄物の性状に応じて、収集運搬基準を遵守するために、車両・運搬容器等の必要な施設を確保すること。
③搬入先の処理方法が、取り扱う産業廃棄物を適正に処理できること。
④業務量に応じた、収集運搬の用に供する施設能力を有すること。
⑤廃棄物の収集運搬に関して適切な業務遂行体制が確保されていること。
※ 運転手は、申請者又は申請者が雇用する従業員でなければ名義貸しなどに該当し法律違反となります。
4 欠格要件に該当しないこと
法人の役員、株主又は出資者、政令で定める使用人が次のいずれにも該当しないことが必要となります。
①成年被後見人若しくは被保佐人又は破産者で復権を得ないもの
②禁固以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
③次の法令若しくはこれらの法令に基づく処分の規定に違反し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
・廃棄物の処理及び清掃に関する法律
・浄化槽法
・大気汚染防止法
・騒音規制法
・海洋汚染及び海上災害の防止に関する法律
・水質汚濁防止法
・悪臭防止法
・振動規制法
・特定有害廃棄物等の輸出入等の規制に関する法律
・ダイオキシン類対策特別措置法
・ポリ塩化ビフェニル廃棄物の適正な処理の推進に関する特別措置法
④暴力団員による不当な行為の防止等に関する法律の規定に違反し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
⑤刑法第204条(傷害)・第206条(現場助勢)・第208条(暴行)・第208条の3(凶器準備集合及び結集)・第222条(脅迫)・第247条(背任)の罪若しくは暴力行為等処罰に関する法律の罪を犯し、罰金の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から5年を経過しない者
⑥次の許可を取り消され、その取消しの日から5年を経過しない者
・一般廃棄物収集運搬業又は一般廃棄物処分業の許可
・産業廃棄物収集運搬業又は産業廃棄物処分業の許可
・特別管理産業廃棄物収集運搬業又は特別管理産業廃棄物処分業の許可
・浄化槽法第41条第2項の規定による許可の取消
⑦上記⑥の許可の取消の処分に係る行政手続法の規定による聴聞の通知があった日から処分をする日又は処分をしないことを決定する日までの間に廃業届出等をした者で、当該届出の日から5年を経過しない者
⑧上記⑦に規定する期間内に廃業届出等があった場合において、行政手続法に規定による聴聞の通知前60日以内に廃業届出等にかかる法人の役員若しくは政令で定める使用人又は個人事業主であったもので、当該届出の日から5年を経過しない者
⑨業務に関し不正又は不誠実な行為をするおそれがあると認めるに足りる相当の理由がある者
⑩暴力団員又は暴力団員でなくなった日から5年を経過しない者
⑪営業に関し成年者と同一の行為能力を有しない未成年者でその法定代理人が①~⑩に該当する
⑫法人でその役員又は政令で定める使用人が①~⑩に該当する
※ 役員には、監査役・相談役・顧問も含まれます。
⑬個人で政令で定める使用人のうち①~⑩に該当する
⑭暴力団員等がその事業活動を支配する者
5 収集運搬の用に供する施設があること
①施設に関する基準
産業廃棄物が飛散し、及び流出し、並びに悪臭が漏れるおそれのない運搬車、運搬船、運搬容器その他の運搬施設を有すること
※ 産業廃棄物の性状、形状、量などに応じた施設が必要となります。
具体的には、泥状物・液状物はドラム缶の容器もしくは吸引車など、粉状物はフレキシブルコンテナバックなどが必要となります。
また、特別管理産業廃棄物収集運搬業の場合、他にも施設基準があります。
②施設の使用権原
申請者は、継続して施設の使用権原を有している必要があります。
・車両の使用の権原は、自動車件査証の使用者が申請者と同じである必要があります。
自動車検査証の使用者が申請者と異なる場合は、貸借契約書又は車両の賃借等に関する証明書等により使用の権原を明らかにする必要があります。
・他の事業者が登録した車両と同じ車両を申請者が登録することは二重登録となり使用権原が重複することから事前に調整しておく必要があります。
・収集運搬の用に供する施設のための、車両の保管場所を確保する必要があります。