建設業許可が取り消される場合

建設業許可法では許可が取り消される場合について、次のように規定しています。(建設業法29条)

▼経営業務管理責任者・専任技術者の要件を満たすものがいなくなった場合(建設業法29条1項1号)

▼次のどれかに該当することになった場合(建設業法29条1項2号)

・成年被後見人・被保佐人・破産者で復権を得ないもの

・禁固以上の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しないもの

・建設工事の施工に関する法令の規定で政令で定めるものにより罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しないもの

・建設工事に従事する労働者の使用に関する法令の規定で政令で定めるものにより罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しないもの

・暴力団員による不当な行為等の防止に関する法律の規定により罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しないもの

・刑法のうち、傷害罪(204条)・現場助勢罪(206条)・暴行罪(208条)・凶器準備集合罪(208条の3)・脅迫罪(212条)・背任罪(247条)の規定により罰金に処せられ、その刑の執行を終わり、又は、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しないもの

・暴力行為等処罰に関する法律の規定により罰金の刑に処せられ、その刑の執行を終わり、又は、刑の執行を受けることがなくなった日から5年を経過しないもの

・結婚していない未成年で、法定代理人から建設業を営む許可を受けていない場合は、その法定代理人が、上記7つに該当する

・役員等が上記に該当する場合

・個人で令3条の使用人のうち上記に該当する場合

▼次のいずれかに該当するにもかかわらず(新たに許可が必要です)、一般建設業又は特定建設業の許可を受けないとき(建設業法29条1項2の2号)

・国土交通大臣の許可を受けた者が、1つの都道府県にしか営業所がない状態となったとき

・許可を受けた都道府県にある営業所を廃止して、他の都道府県に営業所を設けたとき

・都道府県知事の許可を受けたものが、他の都道府県にも営業所を設けたとき

▼許可を受けてから1年以内に営業を開始せず、又は引き続いて1年以上営業を休止した場合(建設業法29条1項3号)

▼次のいずれかに該当した場合(建設業法29条1項4号)

・建設業許可を個人で受けている場合で、許可を受けている本人が死亡したとき

・許可を受けている法人が合併によって消滅した場合

・許可を受けている法人が破産手続開始の決定によって解散した場合

・許可を受けている法人が上記2つの理由以外で解散した場合

・許可を受けた建設業を廃業した場合

▼不正によって建設業許可を受けたとき(建設業法29条1項5号)

▼次のいずれかに該当して、故意や特に重大な過失が認められる場合(建設業法29条1項6号前段)

・建設業者が建設工事を適切に施工しなかったために公衆に危害を及ぼしたとき、又は危害を及ぼすおそれが大であるとき(28条1項1号)

・建設業者が請負契約に関し不誠実な行為をしたとき(28条1項2号)

・建設業者又は政令で定める使用人(支店長等)がその業務に関し他の法令に違反し、建設業者として不適当であると認められるとき(28条1項3号)

・建設業者が一括下請の禁止の規定(22条)に違反したとき(28条1項4号)

・主任技術者又は監理技術者が工事の施工の管理について著しく不適当であり、かつ、その変更が公益上必要であると認められるとき(28条1項5号)

・建設業者が、許可を受けないで建設業を営む者と下請契約を締結したとき(28条1項6号)

・建設業者が、特定建設業以外の建設業を営む者と下請代金の額が3,000万円以上(建築工事業の場合は、4,500万円以上)となる下請契約を締結したとき(28条1項7号)

・建設業者が事情を知っていながら、営業停止を命じられている者又は営業を禁止されている者と、停止・禁止の対象となっている営業の範囲の下請契約を締結したとき(28条1項1号)

▼営業停止処分に違反した場合(建設業法29条1項6号後段)

 

 

 

人員削減時の注意点【許可を受けている場合】

建設業許可を受けている会社で、人員削減を行う場合に

経営業務管理責任者・専任技術者がいなくならないようにする

ことに注意が必要です。

もし、経営業務管理責任者・専任技術者の要件を満たす方にやめてもらい、残った方の中に代わりの方がいない場合には、許可の取消となります。 (建設業法第29条1項1号)

※ 前任の経営業務管理責任者の代わりがいない場合には、許可を受けている全ての業種において許可取消となり、前任の専任技術者の代わりがいない場合には、前任の選任技術者が担当していた業種について、許可の取消となります。

 

ですので、許可を受けている場合に人員削減を行う場合には、自社が誰を経営業務管理責任者・専任技術者としているかをしっかり把握して、人員削減を行っていく必要があります。

 

仮に、すでに前任者がいない場合には、いなくなった時点で、要件を満たす方がいるかどうかを探していくことになります。

いない場合には、要件を満たす方を採用し、新たに申請する必要がありますので、建設業の許可を受けている会社で人員削減を行う場合には、十分、注意が必要となります。

 

 

国家資格者・監理技術者等一覧表とは

国家資格者・監理技術者等一覧表とは、

専任技術者以外の方で、専任技術者の要件を満たす資格を持っている場合や監理技術者となることができる方がいる場合に提出する書類

です。

具体的には、次の4つの要件を満たしている場合に国家資格者・監理技術者等一覧表を作成することになります。

・国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の知識及び技術又は技能を有するものと認定した者(建設業法7条2号ハ)

・建設業法第27条第1項の規定による技術検定その他の法令の規定による試験で許可を受けようとする建設業の種類に応じ国土交通大臣が定めるものに合格した者又は他の法令による免許で許可を受けようとする建設業の種類に応じ国土交通大臣が定めるものを受けた者(建設業法第15条2号イ)

・第7条第2号イ、ロ又はハに該当する者のうち、許可を受けようとする建設業に係る建設工事で、発注者から直接請け負い、その請負代金の額が政令で定める金額以上であるものに関し2年以上指導監督的な実務の経験を有する者(建設業法第15条2号ロ)
・国土交通大臣がイ又はロに掲げる者と同等以上の能力を有するものと認定した者(建設業法第15条2号ハ)

ただし、建設業法第15条2号ロとハに関しては、特定建設業の許可を受けようとする者、または、特定建設業許可の許可を受けている者が作成を必要とします。

 

 

 

 

業種例一覧【建設業の業種と建設工事の例】

建設業法は、建設業を28業種にわけており、ガイドライン等でどのような業種がどのような建設工事に対応するかを示しており、それをまとめると、次のようになります。
 建設工事の種類業種建設工事の内容建設工事の例示
1土木一式工事土木工事業総合的な企画、指導、調整のもとに土木工作物を建設する工事(補修、改造又は解体する工事を含む。以下同じ。) 
2建築一式工事建築工事業総合的な企画、指導、調整のもとに建築物を建設する工事 
3大工工事大工工事業木材の加工又は取付けにより工作物を築造し、又は工作物に木製設備を取付ける工事大工工事、型枠工事、造作工事
4左官工事左官工事業工作物に壁土、モルタル、漆くい、プラスター、繊維等をこて塗り、吹付け、又ははり付ける工事左官工事、モルタル工事、モルタル防水工事、吹付け工事、とぎ出し工事、洗い出し工事
5とび・土工・コンクリート工事とび・土工工事業①足場の組立て、機械器具・建設資材等の重量物の運搬配置、鉄筋等の組立て、工作物の解体等を行う工事
②くい打ち、くい抜き及び場所打ちぐいを行う工事
③土砂等の掘削、盛上げ、締固め等を行う工事
④コンクリートにより工作物を築造する工事
⑤その他基礎的ないしは準備的工事
①とび工事、ひき工事、足場等仮設工事、重量物の揚重運搬配置工事、鉄筋組立て工事、コンクリートブロック据付け工事、工作物解体工事
②くい工事、くい打ち工事、くい抜き工事、場所打ちぐい工事
③土工事、掘削工事、根切り工事、発破工事、盛土工事
④コンクリート工事、コンクリート打設工事、コンクリート圧送工事、プレストレストコンクリート工事
⑤地すべり防止工事、地盤改良工事、ボーリンググラウト工事、土留め工事、仮締切り工事、吹付け工事、道路付属物設置工事、捨石工事、外溝工事、はつり工事
6石工事石工事業石材(石材に類似のコンクリートブロック及び擬石を含む。)の加工又は積方により工作物を築造し、又は工作物に石材を取付ける工事石積み(張り)工事、コンクリートブロック積み(張り)工事
7屋根工事屋根工事業瓦、スレート、金属薄板等により屋根をふく工事屋根ふき工事
8電気工事電気工事業発電設備、変電設備、送配線設備、構内電気設備等を設置する工事発電設備工事、送配電線工事、引込線工事、変遷設備工事、構内電気設備(非常用電気設備を含む。)工事、照明設備工事、電車線工事、信号設備工事、ネオン装置工事
9管工事管工事業冷暖房、空気調和、給排水、衛生等のための設備を設置し、又は金属製等の管を使用して、水、油、ガス、水蒸気等を送配するための設備を設置する工事冷暖房設備工事、冷凍冷蔵設備工事、空気調和設備工事、給排水・給湯設備工事、厨房設備工事、衛生設備工事、浄化槽工事、水洗便所設備工事、ガス管配管工事、ダクト工事、管内更正工事
10タイル・れんが・ブロック工事タイル・れんが・ブロック工事業れんが・コンクリートブロック等により工作物を築造し、又は工作物にれんが、コンクリートブロック、タイル等を取付け、又ははり付ける工事コンクリートブロック積み(張り)工事、レンガ積み(張り)工事、タイル張り工事、築炉工事、石綿スレート張り工事
11鋼構造物工事鋼構造物工事業形鋼、鋼板等の鋼材の加工又は組立てにより工作物を築造する工事鉄骨工事、橋梁工事、鉄塔工事、石油・ガス等の貯蔵用タンク設置工事、屋外広告工事、閘門・水門等の門扉設置工事
12鉄筋工事鉄筋工事業棒鋼等の鋼材を加工し、接合し、又は組立てる工事鉄筋加工組立て工事、ガス圧接工事
13ほ装工事ほ装工事業道路等の地盤面をアスファルト、コンクリート、砂、砂利、砕石等によりほ装する工事アスファルトほ装工事、コンクリリートほ装工事、ブロックほ装工事、路盤築造工事
14しゅんせつ工事しゅんせつ工事業河川、港湾等の水底をしゅんせつする工事しゅんせつ工事
15板金工事板金工事業金属薄板等を加工して工作物に取付け、又は工作物に金属製等の付属物を取付ける工事板金加工取付け工事、建築板金工事
16ガラス工事ガラス工事業工作物にガラスを加工して取付ける工事ガラス加工取付け工事
17塗装工事塗装工事業塗料、塗材等を工作物に吹付け、塗付け、又ははり付ける工事塗装工事、溶射工事、ライニング工事、布張り仕上工事、鋼構造物と送工事、路面標示工事
18防水工事防水工事業アスファルト、モルタル、シーリング材等によって防水を行う工事アスファルト防水工事、モルタル防水工事、シーリング工事、塗膜防水工事、シート防水工事、注入防水工事
19内装仕上工事内装仕上工事業木材、石膏ボード、吸音版、壁紙、たたみ、ビニール床タイル、カーペット、ふすま等を用いて建築物の内装仕上げを行う工事インテリア工事、天井仕上工事、壁張り工事、内装間切り工事、床仕上工事、たたみ工事、ふすま工事、家具工事、防音工事
20機械器具設置工事機械器具設置工事業機械器具の組立て等により工作物を建設し、又は工作物に機械器具を取付ける工事プラント設備工事、運搬器具設置工事、内燃力発電設備工事、集塵機器設置工事、給排気機器設置工事、揚排水機器設置工事、ダム用仮設備工事、遊戯施設設置工事、舞台装置設置工事、サイロ設置工事、立体駐車場設備工事
21熱絶縁工事熱絶縁工事業工作物又は工作物の設備を熱絶縁する工事冷暖房設備、冷凍冷蔵設備、動力設備又は燃料工業、化学工業等の設備の熱絶縁工事
22電気通信工事電気通信工事業有線電気通信工事、無線電気通信工事、放送機械設備、データ通信設備等の電気通信設備を設置する工事電気通信線路設備工事、電気通信機械設置工事、放送機械設置工事、空中線設備工事、データ通信設備工事、情報制御設備工事、TV電波障害防除設備工事
23造園工事造園工事業整地、樹木の植栽、景石のすえ付け等により庭園、公園、緑地等の苑地を築造し、道路、建築物の屋上等を緑化し、又は植生を復元する工事植栽工事、地被工事、景石工事、地ごしらえ工事、公園設備工事、広場工事、園路工事、水景工事、 屋上等緑化工事
24さく井工事さく井工事業さく井機械等を用いてさく孔、さく井を行う工事又はこれらの工事に伴う揚水設備設置等を行う工事さく井工事、観測井工事、還元井工事、温泉掘削工事、井戸築造工事、さく孔工事、石油掘削工事、天然ガス掘削工事、揚水設備工事
25建具工事建具工事業工作物に木製又は金属製の建具等を取付ける工事金属製建具取付け工事、サッシ取付け工事、金属製カーテンウォール取付け工事、シャッター取付け工事、自動ドア取付け工事、木製建具取付け工事、ふすま工事
26水道施設工事水道施設工事業上水道、工業用水道等のための取水、浄水、配水等の施設を築造する工事又は公共下水道若しくは流域下水道の処理施設を設置する工事取水施設工事、浄水施設工事、配水施設工事、下水処理設備工事
27消防施設工事消防施設工事業火災警報設備、消火設備、避難設備若しくは消火活動に必要な設備を設置し、又は工作物に取付ける工事屋内消火栓設置工事、スプリンクラー設置工事、水噴霧、泡、不燃性ガス、蒸発性液体又は粉末による消火設備工事、屋外消火栓設置工事、動力ポンプ設置工事、火災報知設備工事、漏電火災警報器設置工事、非常警報設備工事、金属製避難はしご、救助袋、緩降機避難橋又は排煙設備の設置工事
28清掃施設工事清掃施設工事業し尿処理施設又はごみ処理施設を設置する工事ごみ処理施設、し尿処理施設工事

 

ただし、次の非建設工事は、建設工事に含まれませんので、完成工事高に入れなようにご注意ください。

・剪定、草刈り、枝払い、伐採業務を造園工事の完成工事高として記載しているもの

・保守・点検業務を電気通信工事または消防設備工事の完成工事高として記載しているもの

・溝浚い、草刈り、除土運搬、道路清掃業務を土木一式またはとび・土工工事業の完成工事高として記載しているもの

・地質調査、測量調査をとび・土工工事として記載しているもの

・建売分譲住宅の販売額を建築一式工事の完成工事高として記載しているもの

・自社社屋等の自ら施工した工事を建築一式工事として記載しているもの

など。

上記の工事は、兼業売上高に入れることになります。

 

建設業許可票(看板標識)の掲示義務。

建設業の許可を受けた者は、必ずその店舗及び工事現場ごとに、公衆の見やすい場所に標識を掲げなければ成りません。
※標識の様式は定められていますが、看板の作成方法はどのような方法でもかまいません。

※「公衆の見やすい場所」というのは、店舗(事務所)においては、事務所内への掲出ではなく、事務所が面する道路等、第三者の視点からでも許可票の記載内容が容易に確認できる必要があると解されます。
※工事現場への掲示は、元請業者だけではなく施工に当たる全ての許可業者が、公共・民間の工事かを問わず、必ず行わなければならないこととされています。

建設業許可票(看板標識)の掲示内容

建設業許可票(看板標識)の掲示内容は次の5つです。
(1)商号又は名称 
(2)代表者の氏名 
(3)一般建設業又は特定建設業の別
(4)建設業許可年月日、建設業許可番号
(5)許可を受けた建設業

※建設業許可票(看板標識)の大きさは、横40センチ以上・縦35センチ以上となっております。

※建設業許可票(看板標識)には、許可番号など許可を受けないとわからないものがありますので、許可を受けてから作成することになります。 

 

 

専任技術者・主任技術者・監理技術者・配置技術者の違い

建設業の許可の中で、「技術者」とつく言葉が4つほどあります。全て技術者とつきますので違いがわかりにくいですが、建設業法を守るうえで、必ず、理解しておく必要があります。

まず、専任技術者についてです。

専任技術者とは、営業所ごとに、建設工事の施工に関する一定の資格又は経験を有する技術者のことで、営業所での請負契約に際して、技術的な部分のやりとりをしたりします。専任ですので、現場が営業所と近いなど一定の場合を除いて、営業所で勤務している必要があります。

 

次に、配置技術者ですが、配置技術者とは、建設現場におく技術者のことで、主任技術者と監理技術者の総称です。工事の規模に応じて、現場には、主任技術者又は監理技術者のどちらかを配置しておく必要があります。

 

監理技術者とは、

・発注者から直接工事を請け負った特定建設業者が

・その工事を下請に出す金額が、3,000万円以上(建築工事業の場合には4,500万円以上)となる

場合に、工事現場の技術上の管理をするものとしておかなければならない技術者をいいます。

 

一方、主任技術者は、上記以外の場合に、現場に配置しなければいけない技術者をいいます。

 

しかし、監理技術者・主任技術者は、誰でもよいというわけではありません。

建設現場の技術上の管理をおこなうことが職務ですので、一定の要件を満たす方でないと配置技術者として認められません。

監理技術者の要件は、特定建設業の専任技術者の要件と同じで、次のどれかにあてはまる方となります。 

イ 許可を受けようとする業種の工事について、国土交通大臣が定める試験に合格した方、又は免許を受けた方
ロ 一般建設業許可の専任技術者の要件(イ・ロ・ハ)のどれかに該当し、かつ、元請として4,500万円以上の工事について2年以上指導監督的な実務経験を有する方

ハ 国土交通大臣がイ又はロに掲げる方と同等以上の能力を有すると認定した方

 

主任技術者は、一般建設業の専任技術者の要件と同じで、次のいずれかに当てはまる方となります。

イ 許可を受けようとする業種の工事について高校等(所定学科)を卒業後5年以上、大学・高等専門学校(所定学科)を卒業後3年以上の実務経験を有する方
ロ 許可を受けようとする業種の工事について、10年以上の実務経験を有する方
ハ イ又はロと同等以上の知識、技術、技能を有すると認められた方

 

以上が、専任技術者・主任技術者・監理技術者・配置技術者の違いです。

 

所定学科一覧

建設業許可を取得するための要件の1つに「専任技術者がいること」というものがあります。

専任技術者の要件としては、

イ 許可を受けようとする業種の工事について高校等(所定学科)を卒業後5年以上、大学・高等専門学校(所定学科)を卒業後3年以上の実務経験を有する方

ロ 許可を受けようとする業種の工事について、10年以上の実務経験を有する方

ハ イ又はロと同等以上の知識、技術、技能を有すると認められた方

となっております。

ここでは、イの要件を満たす所定学科とはどのような学科であるかを

① 取得したい建設業の業種(表の左側)

② ①に対応する学科を確認(表の右側)

という順番で下記の表でご確認ください。

 
業種学科
土木工事業
舗装工事業
土木工学(農業土木、鉱山土木、森林土木、砂防、治水、緑地又は造園に関する学科を含む。以下この表において同じ。)、都市工学、衛生工学又は交通工学に関する学科
建築工事業
大工工事業
ガラス工事業
内装仕上工事業
建築学又は都市工学に関する学科
左官工事業
とび・土工工事業
石工事業
屋根工事業
タイル・れんが・ブロック工事業
塗装工事業
土木工学又は建築学に関する学科
電気工事業
電気通信工事業
電気工学又は電気通信工学に関する学科
管工事業
水道施設工事業
清掃施設工事業
土木工学、建築学、機械工学、都市工学又は衛生工学に関する学科
鋼構造物工事業
鉄筋工事業
土木工学、建築学又は機械工学に関する学科
しゅんせつ工事業土木工学又は機械工学に関する学科
板金工事業建築学又は機械工学に関する学科
防水工事業土木工学又は建築学に関する学科
機械器具設置工事業
消防施設工事業
建築学、機械工学又は電気工学に関する学科
熱絶縁工事業土木工学、建築学又は機械工学に関する学科
造園工事業土木工学、建築学、都市工学又は林学に関する学科
さく井工事業土木工学鉱山学、機械工学又は衛生工学に関する学科
建具工事業建築学又は機械工学に関する学科
※ 建設業法施行規則第1条

建設工事とは?

建設業の許可を取得するには、様々な要件を満たしていることが必要となりますが、その要件を満たすために、自社で請け負った工事の経験を証明しなければならないことがあります。

その際、

・どのような工事をおこなっているか

・どの業種の許可を取得したいのか

ということがポイントとなります。

自社がおこなっている工事が、取りたい業種に該当しない場合もありますので、自社が施工した工事を把握し、申請準備をすすめていくことが必要となります。

この確認作業をおこなわず、自分で判断して申請をした場合、書類を作成しなおすことになるかもしれませんので、めんどうな作業ではありますが、二度手間を防ぐためにも、不明な場合は、役所に問い合わせる等をして自社の工事がどの業種にあたるかをはっきりさせておくとよいかと思います。

 

ただ、自社の工事がどの建設工事にあたるかを判断するためには、そもそも建設工事がどういうものを知っておく必要があります。

建設業法では、

建設工事とは、土木建築に関する工事で別表第1の上覧に掲げるものをいう。

となっています。

建設工事のなかには、土木工事・建築工事以外にも、設備工事等も含みます。

また、別表第1の上覧に掲げるものは、次の28種類の工事を指します。

土木一式工事、建築一式工事、大工工事、左官工事、とび・土工・コンクリート工事、石工事、屋根工事、電気工事、菅工事、タイル・れんが・ブロック工事、鋼構造物工事、鉄筋工事、ほ装工事、しゅんせつ工事、板金工事、ガラス工事、塗装工事、防水工事、内装仕上工事、機械器具設置工事、熱絶縁工事、電気通信工事、造園工事、さく井工事、建具工事、水道施設工事、消防施設工事、清掃施設工事

具体例については、次のページをご参考ください。

     ↓

業種例一覧【建設業の業種と建設工事の例】

 

上記のページには、工事の具体例の記載もありますが、重複しているものもありますし、例の中にない工事もあると思います。その場合は、工事内容ごとに、どの工事にあたるかを判断することになります。

 

また、下記の業務は、建設工事にあたりませんので、ご注意ください。

・樹木等の剪定

・道路維持業務における草刈

・設備関係の保守・点検業務

・家電製品販売にともなう付帯物の取り付け 等