事業目的に建設工事の施工が入っていないとダメ?

登記簿謄本の事業目的に、建設工事の請負に関する内容の記載がない場合には、別の書類を用意して確認することになります。

そもそも登記簿謄本の事業目的は、経営業務管理責任者としての経験があるかどうかを見るために許可申請の際に添付を求められています。

実際には、登記簿謄本の事業目的を見ただけでは、建設工事の請負の契約業務についての経験があるとはいえません。事業目的が記載されているだけだからです。会社を設立するときに、将来おこなうかもしれないということで記載していることも多いので、本当のところは、

「事業目的に建設工事の請負工事の記載がある=役員として建設工事の請負の契約業務をおこなっていた」

とはならないのですが、逆に、事業目的に記載があるということは、

「役員として建設工事の請負に関する契約業務をおこなっていただろう」

ということで、第1段階としては、経験があることを推定するということで事業目的の記載を登記簿謄本で確認することになっています。

 

第2段階として、5年あるいは7年分の契約書や請求書・請書・発注証明書などを各社の書類の状況に応じて、証明したい年数(5年又は7年)分、年1件ずつ用意することになります。

 

この2つの書類によって、経営業務管理責任者としての要件を満たすことを証明することになります。

 

しかし、登記簿謄本の事業目的に「建設工事の施工請負」などの記載がない場合は、第1段階で経営業務管理責任者としての要件を満たしているかどうかを推定できませんので、第2段階で用意する契約書等を証明したい年数(5年又は7年)分準備して、「事業目的に記載はないけど、確かに建設工事の請負をおこなっている」ということを証明することになります。

準備する書類は、1年に4~5枚(3ヶ月に1枚)ぐらいの契約書等が必要となります。

ですので、証明したい年数が5年の場合には、準備する契約書等は、1年に4~5枚ですので、5年で20~25枚用意する必要があります。

 

また、登記簿謄本の事業目的に建設工事の施行に関する請負の記載がない場合で、許可申請の際に2業種申請するときには、1つの業種で7年分の契約書等の書類を集めたほうが少なくすみます。

 

この書類の準備が一番大変かと思いますので、普段から書類の管理はしっかりしておくと準備しやすいかと思います。